テスラ セミと新型ロードスター

つい先程、カリフォルニアのホーソーンでTesla Semi(トレーラーヘッド)のワールドプレミアイベントが行われたので、イベントの内容を速報でお伝えしたいと思います。なお、私はトレーラー等について詳しくないので、間違った情報があったらご指摘いただけると幸いです。

tesla trucks 2.png
(Bad Ass Mother F**** な性能。先日発表されたSpace XのBig F***** Rocket ※1といい、好き放題なネーミングですね)

アメリカ西部時間で16日の夜7時から始まったイベントは告知通り、トレーラーヘッドの紹介から始まり、以前からイーロンが言っていたサプライズ(新型ロードスター)も発表されました。とはいえ、紹介プログラムで新型ロードスターが登場するのは分かっていたのでそれほど驚きはないですね。

ということで早速「セミ」のスペックから説明します。

加速

ヘッドのみの加速性能が 0-100km/h → 5秒!もうこの時点でレクサスRC 350クーペやランエボXより速いという笑えるスペックです。しかし、基本的にヘッドのみで走行することは少なく、一般的には荷物を引っ張っているので、以後はアメリカの公道上で許容される最大車両総重量80,000ポンド(36トン)における性能で話を進めます。加速はノンターボの軽自動車と同じぐらいの0-100km/h → 20秒ということです。アクセル全開の軽と同じ速さなら渋滞の原因にもなりにくいですね。

登坂能力

上り勾配5%の道ではアメリカの従来のディーゼルトラックは70km/hほどしか出ませんが、テスラ セミなら100km/h以上出るそうです(満載状態で、ですよ)。日本のトラックは勾配5%で荷物満載だと最高何キロ出るんでしょうね。

航続距離と充電時間

先程の最大積載状態で、高速走行で500マイル(800km)だそうです。アメリカの配送ルートの8割は一日400km以下のため、殆どの方が航続距離について心配する必要が無いようです。充電については、これまでのテスラのスーパチャージャーではなく、メガチャージャーというものを使用するそうで、30分で640km分の充電が行えるようです。現在のスーパチャージャーの2倍以上の出力ですね。早くこちらのスペックも知りたいです。アメリカのトレーラーヘッドで両サイドに150ガロンタンク(1100リットル)を積んだトラックは給油に15分ほどかかるそうです。トラック乗りから「充電に30分も待ってられるか」と言われそうですが、EVの素晴らしい点は「ガソリンスタンドに立ち寄らなくてもいい」ところにあります。納品先で荷物を降ろしながら同時に充電を行うこともができるので、これからは荷受け先も充電インフラを整えていくことになるんでしょうね。

c51cd3bfaea5e20a7222da76a6d31584.jpgそれから空気抵抗についてもおもしろいデータが発表されていました。これだけ前方投影面積が大きいテスラ セミですがCd値がわずか0.36で、ブガッティ・シロンの0.38よりも空力的に優れているようです。※2 上の写真のようなノーズ付きトレーラーヘッドでCd値が0.65-0.7だそうですが日本の四角いヘッドだともう少し成績が悪そうですね。誰かデータがあればコメントください。

安全装備

テスラ セミはモデルS等でおなじみのエンハンスドオートパイロット(EAP)も標準装備されるそうです。自動緊急ブレーキやレーンキープ機能、前方衝突警告等が含まれており、万が一ドライバーが病気等で運転中に意識を失っても、トラックが自動的に減速して路肩に寄せてくれます。更に、ドライバーのシートは最も安全な位置に置かれ、低重心のため横転の可能性も低く、また、後輪の4つの独立したモーターがジャックナイフのリスクも減らしてくれます。ジャックナイフとは下の写真のようなことです。

Truck-Jackknife.jpg
(Photo credit: Texas Truck Accident Lawyer)

メンテナンス

オイル交換もなく、トランスミッションやデフがなく、煤燃焼装置も不要で、さらにブレーキパッド(ブレーキシュー)も半永久的に交換の必要が無いため、かなり維持費が安くなっています。その上、フロントガラスは核融合実験にも耐えられるガラスでできているため、飛び石等で割れることがほぼありません(一般的なトラックは平均して年に1度ガラスが割れるそうです)。駆動系のメーカー保証は160万キロもあり、EVは壊れにくいということを物語っていますね。

コネクティビティ

テスラ セミにはモデルS等と同じようにTesla Appが使えます。提供するサービスは乗用車と少し異なっており
・ テスラモバイルサービス
・ リモート診断サービス
・ 予防メンテナンス
・ 位置情報サービス
・ 配車センターとの連絡
を予定しています。今後はさらに実用的な機能が増えていくと予想されます。車々間通信を使った隊列走行(プラトゥーニング)の実験もネバダ州で行っているという噂なので、ますます効率が高まりますね。

コスト

これは日本とは燃料や電気代のコストが違いすぎるので参考情報程度に考えてほしいのですが、前提条件として以下の状況で試算しております:
・ 1日往復160キロの配送ルート
・ 平均時速100km/h
・ 車両総重量36トンで走行(行きも帰りも満載)
・ ディーゼルガソリンはリッター74円(1ドル112円換算)
・ メガチャージャーの電気代は1kWあたり7セント(約7円)
この条件でディーゼルトラックは1kmあたり105円、テスラ セミは88円の運用コストになります。
ディーゼルトラックはここにオイル交換等が加算されます。

騒音と排気ガス

我が家の近所の大きな公園の周囲の道路には、お昼時になると大小様々なトラックがやってきて、アイドリングしながら中でドライバーがお弁当を食べていたり昼寝をしたりしています。車を止める場所がないのは分かりますがご近所迷惑なので早くテスラ セミに買い換えてください。

 

次に次期ロードスターについて情報をまとめました。

2020-Tesla-Roadster-05.jpg
(Photo credit: Motor Trend

このクルマはイーロン・マスクが「ガソリン車に引導を渡す」ために作ったもので、ガソリン車がどう逆立ちしても勝てないクレージーなスペックになっています。

0-100km/h 1.9秒
0-160km/h(100マイル) 4.2秒
ゼロヨン 8.8秒
最高速度 400km/h以上
バッテリー 200kWh
航続距離(高速道路) 992km
3モーター 後輪2基、前輪1基
トルク 1万Nm

最後のトルク1万Nmだけ疑問ですが(1000Nmの間違い?)、他メーカーの「2020年までにこんな素晴らしいクルマを発売します」という絵に描いた餅ではなく、いま存在する材料と技術を集めて作った本当に動くコンセプトカーです。発売日までに技術の進歩とともに更にスペックに磨きをかけてくるのだと思います。

以下、実際にプロトタイプに乗ったユーチューバー、Now You KnowのZacの動画を紹介します。

(Video credit; Now You Know)

一瞬で74マイル(118.4km/h)まで加速しており、Zacもあまりの加速に言葉を失っています。このクルマは何度も同じルートを周回しているのでバッテリーがどんどん減っていると思います。バッテリーが100%じゃないと本来の加速性能を出し切れないのですが、それでもこれだけ速いのは驚異的ですね。

 

 

※1 BFRについて、一応テスラ公式ではBig Falcon Rocketということになっています。

※2 Cd値がシロンより低いからといって、シロンよりも空気抵抗が少ないということではありません。

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